2022年3月19日土曜日

ロマノフ家の末裔

 現実逃避でドラマ鑑賞。ロマノフ家の末裔という共通点はあるが、1話ごと完結していて、それぞれのエピソードの登場人物に関連性はない。

面白いものと面白くないものの落差が大きいように思った。

1話。

なかなか良い。ロマノフの末裔のわがままな老女とムスリムの家政婦。ユニーク。最後、ああいう展開(妊娠して結婚話に進む)は意外だったが、フランス人女性がサバサバと別れていくのが潔くて、面白かった。老女の眼鏡にかなった女性と甥が結婚し、アパルトマンを相続させるというのは願ったり叶ったり。夢物語だけど、いいかな。あの二人が結婚してどうなるのか?というのもあるけど、しっかりものの彼女に支えられて、幸福な家庭になりそう。

2話。

ひどい。ロマノフの末裔の旦那がひどい。どうしてあの男と結婚した? いい奥さんなのに。可愛いし、努力しているし。男を見る目がなかったということか。最後、殺されそうになってようやく目が覚めたみたいだけど。とにかくひどい旦那で、見るに堪えず、ところどころ早送りした。

3話。

薄気味の悪い話。最後の最後まで狐につままれたような展開。ま、ヒロインの心情を疑似体験できるようになっているのだろうけど、楽しめなかった。途中で寝ちゃったせいもあって、話が見えなくなった。監督もスタッフも謎めいたまま、意地悪なままだったのは意図的だったのか? ヒロインが可哀想。人間、恐怖で死んでしまうのだよ、本当に。

4話。

ヒロインは精神を病んでいるようだ。そして、周囲が信じられないくらい良い人ばかり。重い秘密を旦那に告白しちゃって、本人はすっきりかもしれないけど、旦那は? これを許せる旦那がすごすぎる。って、これ妄想で告白しただけ? 実際は言っていない? この女優さん、別のドラマで見たことあるけど、何だったけ? ピリピリ感が伝わってきて、見ているこっちも疲れる。女優さんが悪いのじゃなく、この脚本が悪いんだけどさ。

5話。

ピアノ教師に対する疑惑。3人の息子を彼に習わせる母親の苦悩。他の母親にも話してしまい、騒ぎが大きくなる。でも、結局、児童性愛者ではなかった。15歳の子にアルコールを与えたとか。父親は教師がゲイであることで色眼鏡で見ていたが、最終的には、くだらない疑惑で人生を狂わせてはいけないと主張し、子どもたちにそれまでどおりレッスンを受けるように指示。父親の少年時代の経験談(近所の友だちが女か男かという問題を本人に問いただして、自分の父親にこっぴどく叱られた経験)が面白い。このエピソードでいちばん味がある存在は、このお父さんだな。

6話。

メキシコ。医療機関の不正を暴くべく潜入するジャーナリストの男性が血友病の息子をもつアメリカ人の母親に惹かれて、観光案内を申し出る。ロマノフの血筋と血友病。怪僧ラスプーチンが入り込んだのは血友病の皇太子が原因だったっけ。結局、ジャーナリストは暴露記事も出せず、母親とはどうにもならず(別居中の夫のところに戻るのだと思う)、淡々と人生を歩んでいくのだろう。彼は独身で、父親も母親も亡くして家族はいないようだが、家族愛を体現している。

7話。

ウラジオストックの孤児院から養子を取ろうとするアメリカ人カップル。仲介人のロシア美女。物資の困窮状態がうかがえるエリア。寒さと貧困。暗い。目的の子どもに障害があると見て取った妻は引き取り拒否。夫はどんな子でも受け入れたいという考え方。最終的には夫が折れて、養子を諦めることにした二人だが、仲介人が孤児院長と話を付けて、別の健常児を引き取ることに。妻は喜んでいるが、夫は複雑な表情。深いな。実際、この手の話が問題になったよね。ニュースで。実の子なら、どんな子でも受け入れるしかないが、養子となると、選り好みしてしまうという、人間の性。

8話。

パリ発の列車で乗り合わせた乗客が語る話。偶然の出会いと思いきや、計画的な邂逅。復讐。ロマノフの末裔である母親を父親の浮気相手(後の継母)に奪われた男性。トランスジェンダーになっていく過程を見てもなかなか列車の熟年の「女性」が「彼」とは思わなかった。弟は婚約者にロマノフ家のイヤリングを渡すため、スイスの金庫から出してきた帰りだったのか。もういちど見直して、その流れに気づいた。被害者になってはいけない。自分の人生の主導権を握ることが鍵。この話は賛同できる。殺人は肯定できないが。含みのある終わり方で、視聴者にその後の展開を想像させる感じが良い。

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