2023年4月8日土曜日

ザ・ループ TALES FROM THE LOOP

Amazon Originalのドラマ。

不思議な世界。テレビがブラウン管みたいだし、全体的に60年代~70年代ぐらいの雰囲気。でも、SF。不思議な物質、不思議な場所、不思議な機械があって、不思議な現象が起きる。

実験物理学マーサーセンター(MCEP: Mercer Center for Experimental Phisics)の創設者ラス・ウィラードが導入部で舞台背景を説明する。この謎の地下施設は地元(オハイオ州マーサーの街)ではループと呼ばれている。この施設の目的は宇宙の謎を探求し、解き明かすこと。不思議な出来事はこの施設が原因と地元の人は思っている。

第1話(Loop)

少女ロレッタは母アルマと二人暮らし。母がループからある物質を盗み、実験しているうちに、姿を消した。家も消えてしまったよう。ロレッタは母を探すうちにひとりの少年(コール)と出会う。コールの両親もループで働いているというので、彼の家に行く。コールは兄、父(義手)、母との4人暮らし。母は祖父と話をしているところだからと言って、相手にしてくれない。仕方なく、コールとロレッタはループに行く。守衛がコールのことを知っていて、ロレッタの母がいるか中の人に聞いてくれる。が、いないという。狐につままれたままその場を去るロレッタ。コールの家に戻り、ロレッタは自分のテストの解答用紙を見つける。コールの母は自分だった。未来にタイムスリップしてしまったようだ。コールの母となったロレッタも、少女ロレッタが自分であることを知る。失踪したアルマは母親でいたくなかったのだろうという結論を出していた。少女ロレッタは成人ロレッタとループ内のある部屋に行く。そこにある巨大な球体の物体の前で話をして、場面が変わると、少女ロレッタはいなかった。過去に戻ったのか?

第2話(Transpose)

コールの兄ジェイコブとその友達ダニーがメインで話が進む。ジェイコブは学力優秀で絵も得意だが、好きな女の子(メイ)を誘うことができない。一方、ダニーは体力があり、運動も得意で、女の子にももてるようだ。ジェイコブはダニーに筋トレを手伝ってもらったり、ダニーはジェイコブにテストの解答を写させてもらっている。お互いの長所を使ってお互いに助け合い、エレキギターを一緒に弾いたりして毎日一緒に過ごしている。そんな二人ももうすぐ学校を卒業し、就職することになる。ジェイコブは絵描きになりたいが、両親からはループで働けと言われている。導入部で出てきたラス・ウィラードはジェイコブのおじいさん。ダニーはループで働きたいが、母親からは学力不足でループは無理だからおじさんの採石場で働けと言われている。放課後、森を散策中に大きな球状の金属の塊を見つける。ドアが付いていて、ジェイコブが中に入ると、ジェイコブとダニーが入れ替わってしまう。そして、もういちど、ジェイコブ(中身はダニー)が中に入ると、元通りになった。面白がって、もういちどジェイコブが中に入り、入れ替わったまま、1日過ごしてみようということになる。ジェイコブになったダニーは採石場で働きたくないので、このままジェイコブでいたいと願うが、ダニーになったジェイコブは好きなメイと仲良くなりたいので、元に戻りたいという(ダニーがジェイコブのためかどうか分からないが、ジェイコブの姿でメイをくどいてキスしているのを、ダニーになったジェイコブが目撃してショックを受ける)。元に戻るのを拒否されて、ジェイコブはダニーの姿で泣きながら森に行き、球体の中に入る。その後、家に戻らないダニーを心配した両親がジェイコブのところに電話をかけてくるが、ジェイコブになったダニーはその電話に出ない。しかし、失踪2日目に気になって、森に行くと、ダニーの姿のジェイコブが球体の中で倒れているのを発見。助けを求める。ダニーの姿のジェイコブは入院。ジェイコブの姿のダニーは後悔するが、両親にループで働きたいといってほめてもらえ、気を良くする。その晩、森にいたロボット(1話でコールがこのロボットに石を投げつけているのをロレッタが止めた)がウィラード家の門のところに来た。ジェイコブの姿のダニーは、「ジェイコブ?」と声をかけると、肯定するかのような動きをした後、走り去っていった。そばにいたものと入れ替わるので、森にいたロボットと入れ替わってしまったのだろう。呆然とするジェイコブの姿のダニー。ここで2話は終わる。

学力で進路が決まってしまうというのは悲しいね。そんなシステムがなければ、二人は本当の自分のまま幸せでいられただろうに。

第3話(Stasis)

ジェイコブの中国系ガールフレンドのメイがメイン。ジェイコブと付き合っているものの、アジア系男子イーサンに関心が向いている。ジェイコブは中身がダニーで、知的探究心の強そうなメイとは続かないのかな。イーサンは足に障害があるためか、他者との接触に消極的みたいだが、メイといるのは居心地がよさそう。メイが湖で釣りをしているときに見つけた装置を修理して動かしたら、街中の人が動きを止めてしまった(時が止まったのか?)。メイはその装置に付いていた金属の輪っかを手首にはめていたため、止まっていない。これをイーサンと一緒に楽しむことにした。二人で時の止まった街でいたずらをしながら遊ぶ。メインストリートの車道でセックス。商店の商品を万引き。メイはひとりになるのが怖い。イーサンはそばにいると約束する。1ヶ月二人で過ごした後、時を動かそうとしたら、装置が壊れていることに気づく。部品を求めて街中をさまよい歩いているうちに、二人はちょっとした行き違いから喧嘩別れをしてしまう。単なる火遊びだったのか。若気の至りだったのか。二人ともまだ若いから仕方がないか。

気が滅入る終わり方だ。

第4話(Echo Sphere)

コールと祖父ラス・ウィラードがメイン。エコーチェインバーのような大きな球体に向かって声をかけると、寿命が分かるという。コールが「ハロー」というと、6回「ハロー」というエコーが返ってきた。ラスはコールが長生きできるという。コールはラスもやれという。ラスが「ハロー」というと1回もエコーが返ってこない。ラスの余命はわずかと医者から告げられているらしい。そのことを知ったコールはループの技術で救命できないのかという。おじいちゃん子のコール。祖父と過ごすのが大好きなようだ。(優しくて絵がうまくて面倒見の良い兄ジェイコブがいなくなってしまったから?ダニーとうまくやっているのだろうか?)祖父は倒れ、入院。完全に認知症でコールを認識できない。ショックを受けるコール。祖父を助けるべくループに単身乗り込み、祖父を助けるための手段を探す。そして、少女ロレッタを過去に送り戻した黒い石(?)でできた巨大な球体のある部屋に来る。母ロレッタに見つかってしまう。コールが潜り込んだとき、ジェイコブであるロボットが見ていたので、それとなくロレッタに教えたのか?(でも、どうやって?)黒い球体は使い道が違うのだとコールを諭し、家に帰す。祖父は結局亡くなる。エコーチェインバーにひとり戻るコール。「ハロー」というと、何回もエコーが返ってきた。若い男性の一生が見えた。祖父と一緒にいたときに捕まえた蛍が飛んでいる。あれは祖父なのか?それとも未来のコールなのか?

なんでも可能にする研究所の設立者が病の前では無力。医療信者を作るためのプロパガンダか? 生活習慣を変えろ!

第5話(Control)

ダニーの両親と娘がメイン。ダニーの父エドは修理業者で、金欠のよう。カネのことで妻ケイトにガミガミ言われ、サンドバッグに当たっている。ダニーの妹は耳が聞こえないため、手話で会話。悪ガキにいじめられ、ダニーにもらった大切なおもちゃを取られてしまう。そんなある日、庭に不審者の姿を見つけたエドは、急いで庭に出るが見失う。男だった。妹は見ていたはずなのだが、だれだか言わない。いじめられるのを恐れているのか? 私にはジェイコブ(中身はダニー)のように見えたのだが。エドが給料を前借りした。自宅のブレーカーを修理するのかと思ったら、スクラップ場のロボット(スクラッパー)を買ってしまった。エドは家族を守ることに気負いすぎて、基本的な優先順位が見えなくなっているようだ。スクラッパーとともに毎晩徹夜で見張るエド。睡眠不足にならないのか?不死身のエド(笑)不審者はやぱhりジェイコブになっているダニーだった。いじめっこからおもちゃを取り返し、車庫に入れておくと妹ベスに伝え、ベスが車庫に入っているとき、エドが不審者だと思い、スクラッパーで攻撃し、ベスを殺しかけてしまう。ケイトはベスを連れて兄の家に行ってしまう。漏電で火花が散り、電気がつかなくなった家にひとり取り残されるエド。スクラッパーを元の持ち主に返し、ブレーカーを修理し、ケイトに電話する。電気がついている家に入っていくケイトとベス。一応ハッピーエンドだが、ダニー(中身はなし)の入院費用がかさんでいるようだ。ロボットになったジェイコブとジェイコブになったダニー、抜け殻のエドの体。どうにか元に戻せないのだろうか?

エドはいい人なんだけど、生活能力があまりにも低い。せっかく修理工で稼いでも、ろくでもないものにカネを使ってしまう。スクラッパーとか酒とか。今回不思議現象がなかったと思ったがひとつあった。巣から落ちて割れた卵が元に戻って、浮上し、巣に戻ったようだった。なんだろう? エドが妻と娘の家出後に昏睡状態のダニー(中身なし)の手を握って泣きながら謝っている場面の後だった。何が起きたのか?

第6話(Parallel)

ループの守衛のアフリカ系男性ガディスがメイン。野原で不思議な穴を見つけるが、しばらくすると閉じてしまい、原っぱに戻ってしまった。ガディスはバードウォッチング好き(birder)で森のそばの小さな家でひとり暮らしをしている。ビリヤードをしたり、鳥の本を読んだり、ひとりで過ごすことが多いが、原っぱのトラクターの中にあった男性の写真をいつも持ち歩いていて、自慰行為までしている。壊れていたトラクターをメイが直してくれた。このトラクターのエンジンをかけたら、妙なエネルギーが放出され、パラレルワールドに迷い込んだ。そこには、ガディスと写真の男性アレックスが同棲していた。守衛ガディスはもうひとりの自分がいないすきにアレックスと関係をもってしまう。孤独だった。だれかが待っている家に帰りたいと思っていた。過去の思いがこみ上げてくる。アレックスに思いの丈を綴ったノートを渡す。それをパラレルワールドのガディスが返しに来た。アレックスは浮気性らしい。ちょっと浮気して遊んではガディスのところに戻ってくるということを繰り返しているらしい。守衛ガディスはショックを受け、彼らのそばから離れることにした。ダイナーで座っていたら、元の世界のプールバーでの出会いが最悪だったケントが入ってきた。双眼鏡をもっていたので声をかけると鳥を見るためだという。意気投合し、親しく話しているところで終わる。たぶん関係を結べるだろう。

パラレルワールドから帰れないという設定が面白かった。そして、パラレルワールドの自分がとても良い人で、戸惑っているのも良かった。最後はちょっと予想できたけど、納得のいく終わり方だった。鳥好きという設定が好感。森のそばに住んでいるのも鳥のためというのもいい。ケントは元の世界でも環境保護のために自転車通勤している人なので、良い人なんだと思う。ただ、元の世界で初めて会ったとき、ガディスが選んだ曲とは知らずにけなしてしまったことで、その後気まずい雰囲気になってしまった。最初の一歩って大事だよね。

第7話(Enemies) 

ジョージの少年時代。機械いじりが好きな寡黙な少年。いじめっ子たちと禁断の島に行き、ひとり置き去りにされ、蛇にかまれ、敗血症になって左腕を切断する羽目になる。島に滞在中に不気味な存在に遭遇するが父(ラス)から誰にも言ってはいけないと言われ、約束させられる。義手を得て、明るい表情になるが、島の記憶は成人して二児の父になった今でも夢に出てきてうなされる。妻ロレッタは理解しているようだ。ジョージは島にいたのが何なのか母に確かめる。すると、ラスが作ったもの(ロボット)で、ラスの子供のようなものだという。人間に近づけたかったが、かなり違う状態なので、人々から守るために、そのロボットを島に送ったと。ジョージはその話を聞いた後、島を再訪し、そのロボットの左腕を自分が破壊してしまったことをわびる。そして、自分の義手を外して、下に置く。ロボットに使ってほしいと思ったのだろう。(使えるのか?)

ジョージの少年時代の顔の濃さと成人ジョージのあっさりした顔のギャップで、最初、ジョージだということが分からなかった。名前も出てこなかったし。義手を渡すシーンはいい話なのだろうが、どうも義手とかロボットとかが出てくると、ムーンショットのための予告プログラミングに思えてしかたがない。

第8話(Home)

ジェイコブは就職して家を出て戻ってこない。兄に会いたいコールは兄の間借り先に押しかける。そこで、ジェイコブはダニーで本当のジェイコブは森の中のロボットの中にいると聞かされる。半信半疑で森に行き、ロボットを見つけて交流しているうちに、ジェイコブであることを確信する。母にジェイコブを元通りにしてもらおうと、ロボットを連れて、母のいる街に行こうとするが、途中、敵対的なロボットに攻撃され、ジェイコブは負傷。部品がひとつ落ちてしまう。その後、倒木を乗り越えようとしたところで転倒し、動けなくなり、絶命。コールは悲しみ、元来た道を引きかえすが、往きは凍り付いていた小川が、帰りはなぜか流れている。ボールを流してみると、下流に流れていったが、しばらくすると、上流から流れてきた。不思議に思いながらも小川を渡り、母のいるループの守衛所に行き、母を呼び出してもらう。すると、白髪交じりの老け込んだ女性が出てきた。小川の氷が溶けて流れているときに渡ると、長い時間が経過してしまうのだとか。父も祖母も他界していて、母がひとりで待ってくれていた。ダニーも結婚して娘がいる父親になっていた。小学校を訪ねると、担任の女性教師は昔のまま。不思議に思って尋ねると、コールの祖父(ラス)が作ったロボット第2号なのだと。機械が人間のマスクをかぶっているものだった。その後、さらに時が流れ、コールは妻と息子とともに昔の家の前に来ている。ジェイコブとコールのような兄弟が後ろを通り、自分の過去と重ね合わせていた。

ジェイコブは元に戻れず、ロボットとして死んでしまったのが残念。戻してあげたかったなぁ。私の望んだ展開は、あの壊されてしまった球体と同じ作用をもつ装置をロレッタかジョージが作って、ジェイコブ(中身ダニー)、ダニー(中身空)、ロボット(中身ジェイコブ)の入れ替え作業をやって、元の鞘に戻るというもの。ダニーも重いものを背負ってしまったなぁ。ロレッタは二人も息子がいたのに、一時期両方とも失ってしまい、ひとりで待っていたというのがねぇ。最初からいないならともかく、急にいなくなったとか、不思議現象で奪われたとかだとねぇ。

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