2021年2月8日月曜日

フランス映画『ぼくを探しに』

フランス映画『ぼくを探しに』を視聴。

YouTube: Attila Marcel (2014) Official Trailer

 AmazonのPrime Video会員特典の見放題作品で、お勧めに上がってきたので何気に見たら、とても良かった。

以下感想(ネタバレあり)

【あらすじ】

2人の叔母(母の姉)とパリのアパルトマンで暮らす33歳の青年ポール。2歳のときに両親を事故で亡くし、その時以来失語症となって一切話さず、叔母のダンス教室でピアノの伴奏者として働きながら、ピアニストとして成功するべくコンクールでの優勝を目指している。

ある日同じアパルトマンの階下に住む風変わりなマダム・プルーストと出会う。マダムのハーブティーを使った音楽療法で過去の記憶をたどり、両親の死の真相を思い出す。 

悲しみと苦しみの後、ポールは自分の人生を取り戻す。 

 この映画の世界観になじむまで、少し時間がかかった。

そもそも「コメディ」ということが分かっていなかったので、「なんじゃこりゃ?」みたいなシーンが多かったのと、フランス語が簡単な単語とフレーズしか分からないレベルで、ストーリー展開は字幕頼り。字幕をガッツリ読んでいると、映像を見落としていたりする。

そんなわけで、導入部分で人物の背景・状況理解に手間取ったが、いったん流れをつかんだら、あとはその流れに乗りながら、コミカルなシーンを楽しみ、最後の結末までいっきに行けた。

そして、あまりに良かったので、何度も繰り返し見てしまった。

なぜこの映画がオススメに上がってきたのかというと、その前に『アメリ』を視聴したからだろう。この映画は『アメリ』のプロデューサーが作ったものだった。

そういえば『アメリ』と共通するところがある。奇抜で奇妙な世界観。でも個人的には『アメリ』より好きかな。

何が良かったのか?

  • 主人公の無言の演技
  • マダム・プルーストのヒッピーなところ
  • 個性的な登場人物のひねりのあるセリフ
  • 公園やマダムの部屋の木や草
  • 音楽と記憶の関係
  • イントロとエンディングの微妙な違い
好きなシーン

  • 叔母さんのおそろいの服とアップスタイルの髪型
  • 公園の大きな木とそれを取り囲むベンチ
  • ダンス教室の男生徒の「何事も挑戦だと軍で教わった。“敵の懐を知れ”だ」という台詞
  • 盲目の調律師が階段の鉄柵を「調律」しているところ
  • マダムの部屋の中にある畑と窓から差し込む光とその光を反射する多数の鏡
  • 十字架の代わりにクマのぬいぐるみを掛けたところ
  • ビーチのシーンがレトロな人形劇みたいなところ
  • ピアノと二胡の背中合わせでの演奏
  • ユニークなカエルのバンド
  • 薬物探知犬がシェパードではなく、愛らしい中型犬
  • マダムが愛犬を「小さな熊よ!」というところ
  • 剥製師志望の医師が「自分は医者しかできない」と嘆くところ
  • ウクレレを修理するところ
  • ピアノがプランターになって、ポールが如雨露で水をあげているところ
  • お墓に供えられたチワワの剥製
  • 雨粒がウクレレを奏で、その後、急に日が差すところ
  • ウクレレ教室に顔なじみの登場人物(浮浪者さんも!)が勢揃いしているところ
アメリカ映画は分かりやすいけど、それゆえに単純すぎたり、押しつけがましかったりするが、フランス映画は一見とっつきにくいものの、ひねりが効いていて、後からジワジワくる感じ。フランス語(台詞)がもっと分かったら、もっと楽しめるのだろうな。

悲劇的なテーマをコミカルなシーンで描いて、感動と爽やかさにもっていくという不思議な展開が非常に新鮮。

監督のシルヴァン・ショメとは同い年のせいか、レトロな部分がとても共感できる。

ウクレレを買うか、かなり真剣に悩み中(笑)

ギターは昔、中学入学前後、入門レベルの曲や簡単なコードは練習したことがある。ウクレレはもっと小さくて、弦の数も少ないから、とっつきやすいだろうか?

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