私はもう何年も前に中年と呼ばれる年代に入った。新卒の新入社員が毎年入社するような会社だったら、私の年で「若手」と呼ばれることはまずないだろう。
しかし、ところ変われば定義も変わる。
高齢化が進む我が町の町内会では、役員をはじめ当番会員も60代、70代が中心。
昨年、当番がまわってきて、私も仕方なく町内会の活動に参加したのだが、そこでは、私は「若手」なのである。
そんな中、この町内会主催の某イベントでチケット販売の係を仰せつかった。
販売には金銭の集計がつきもの。販売後、売上を集計することになったのだが、電卓がないという。
集計は想定内だったが、会場に電卓がないというのは想定外だった。
ケータイには電卓機能がある。それを使えばよいと普通は思うだろうが、なにしろ私はそのとき生まれて初めてケータイをもったばかりで、そんな機能があることを知らなかった。
で、どうしたかというと、
筆算である。
何十年ぶりだろう。3桁×3桁のかけ算。
ににんがし、さぶろくじゅうはち、いちくりあがって。。。
という世界である。
私は子どもの頃珠算1級を取っているのだが、それは過去の栄光であって、今となっては、その片鱗は微塵もない。電卓で甘やかされた脳味噌でそろばん的な暗算などもう無理。
そうなると、小学校でたたき込まれた筆算しかない。
私より若い人がいたら、お願いしたかったし、そういう人なら、ケータイの電卓機能のこともすぐ思いついただろう。
が、人生の先輩諸氏は、ケータイのユーザー歴が私より長いのに、だれも電卓機能のことには触れず(知らず?)、筆算をやろうなどと申し出てくれる方も当然のごとくいなかった。
「若手」の私がやるしかない。
そして、災難は重なるのである。必死になって計算した結果と実際の売上金が一致しない。
あーだこーだ意見が飛び交い、別の角度から検証しようという話になり、今度は、割り算をやらされる羽目に。。。
6桁 ÷ 3桁の割り算。意外と難しい…(笑)。
数字が合わず、緊迫した空気が漂う中、みんなに見つめられながら慣れない筆算をやり、間違いがないよう検算を何度もしているうちに、すっかりエネルギーを消耗してしまった。
筆算、おそるべし。
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